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高森明勅
2016.10.22 01:00

「血が全てじゃない」という花園天皇の戒め

第95代花園天皇は、当時の皇太子だった量仁(かずひと)親王を
戒めた文章を遺されている。

その中で次のように述べておられる。

我が国は一貫して皇室の血筋が天皇の地位を受け継ぐ国柄で、
人徳や武力で天下を争う他国とは違う、たとえ人徳はなくても
皇位に不安はない(T超訳ー血が全て!)
などと、側近で媚び
へつらう者は言うだろう。

だが、そうではない。

立派な君主でなければ国内はたちまち乱れる。
だから日々、我が身を省みて、十分な知識と人徳を身に付ける
必要がある。
それらをきちんと身に付けたら、皇室の祖先の気持ちに応え、
国民に厚い恵みを与える事が出来るだろう」と。

皇室はこれまで、このような精神を大切に受け継いで来られた。

「血が全て!」などとふんぞり返ってはおられないのだ。

今の皇太子殿下も花園天皇の“戒め”をお読みになり、

非常に感銘を覚えます」とおっしゃっている
昭和57年3月15日)。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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